ニューヨーク近郊の会計士 仕事日記 19 インターンとの接し方

アメリカで就労するためのビザについて

こんにちはー 駆け出しブロガー会計士、らーきいです。

僕はBIG4での監査経験を経て現在USCPA監査人としてアメリカのニュージャージー州の会計事務所にて主に日系企業の監査、レビュー業務に携わっています。

さて今日は監査法人に採用されるインターン(研修者)の話をしてみようと思います。

それなりの規模の会計事務所であればどこでもインターンの採用はしているのではないでしょうか。彼らの採用や採用基準などについては前回記事 仕事日記17を是非ご覧ください。彼らは本採用のフルタイム(正社員)として働き出すわけではなく、あくまで一定期間の試用という形で採用されます。給料も通常の年俸制ではなく時給、決まった期間働いた後にフルタイムとして採用か、不採用かを通知されます。

このインターン、それほど形式的に決まっているわけではなく期間も個人の都合に応じばらけたりします(通常は半年から1年程度)し、インターン後に大学院などへの進学を控えているようであれば十分採用基準を超えた能力があっても採用通知は敢えて出さず、卒業後に来てくれれば高い見込みでの採用をファームとして検討する(口約束ベース)などと伝えます。

ではインターンは入ったら何をするのか?  これは各事務所の方針もあるでしょうが今僕が所属している事務所では、”業務上、できることはなんでも”やってもらいます。まずワードとエクセルがある程度使えて、会計の基礎が分かっていることが採用の前提としてあるのですが、主な依頼作業として顧客エンゲージメント上の補助業務、書類整理、分類、データ整理、などあらゆる雑務が入ります(注:コーヒー買ってきてくれ、とかは普通ないです)。もっとも今のファームは大ファームではないので明確な方針があるわけじゃないです。そこで僕が個人として考えているインターン業務への基本概念は”とりあえず監査人が普段どういう空気感でどのような業務をやってもらうのかまず知ってもらうこと、チームの一員として仕事をしてもらうために雑用を含むとにかくその人ができること割り当てる”という感じでしょうか。もちろん雑用だけではなく監査業務として簡単な調書やテストを理解してやってもらえるのであれば、状況をみながらやってもらうこともあります。ここは個人の技量によるところが大きいですね。

Big4でのインターン

前働いていたBig4のデロイトではインターンの扱いについては面白い事を上から教わりました。「インターンというのはお客様扱い、待遇はある意味パートナーより上」と言うもので、これは巨大ファームであるがゆえに実際に働く環境を知ってもらう以上に、優秀なインターンにいい印象を与え将来的に自社を就職先に選んでもらうこと、またインターンが受けたファームの印象を大学にいる仲間の会計就学者たちに口コミしてほしいなどの効果を考えたものかと思います。

大変なのは現場がインターンを迎え入れた後です。彼らインターンはもちろんそれほど仕事自体には貢献できないのですが、デロイトの特徴なのか”インターンに雑務をやらせることはできない”というもので、仕事として真っ当な科目の真っ当な監査手続きをきちんと教えてやってもうことになるので、それを教えるスタッフやシニアは自分の時間をさいて面倒みなきゃなりません。ただでさえ忙しい中、自分達でやればよっぽど早くできることをわざわざ時間を使ってインターンに教えてあげる必要があり、その面倒を見たインターンも来年チームにはいるのであればまだしも、巨大ファームであるがゆえに入っても別のチームに行ってしまったり、別のファームに行ってしまったりもするので自分のチームにとっては徒労で終わることも多く、こういう言い方もアレなんですが”本当にただのお荷物”感が凄かったです。なのでインターン受け入れは本当に自分の実力向上の一環として考えないとやりきれないところがありました。そう考えると今のファームはインターンでも普通にできることを普通に依頼できるので非常にまっとうだと思います。

とはいえインターンとして入る方の気持ちからすれば「もちろんBig4の名前をレジュメに書けるし、真っ当な監査手法をすぐに教えてもらえるし!」ということでいいことづくめでしょう。僕がインターンするなら迷わずBig4ですね(笑)

次のページ:どうだったらフルタイムで採用?

コメント

タイトルとURLをコピーしました