バーニングマン旅行記 2025年8月 – vol.13:31日 日曜日 テンプルバーン

旅行記

最後のイベント、テンプルバーンへ

そして、バーニングマンにおける最後のイベント、テンプルバーンが夕方から準備されます。一度その中を見に行った、あの死者を悼む気持ちがたくさん詰まったドームは、みんなが見守る中でマンと同様、燃やされてしまいます。

マンバーンは嫁さんと二人で行ったのですが、テンプルはキャンプの日本人メンバーを中心に一緒に見に行きました。夕闇がかるセンタープラヤに鎮座する、まるで黒い岩のようなテンプル。マンと同様、バーンの前はレンジャーたちに囲まれ一般のバーナーが一定以上近づくことはできないようにされています。

日の入りの時刻(くらいだったと思います)、そっとテンプルには火がつけられ、瞬く間にその全部を覆う巨大な炎となりました。しかしマンバーンとの圧倒的な違いはその静けさと荘厳さです。

同じ夕闇の中で行われているのだがマンバーンの時は派手な花火の打ち上げ、人々の興奮と怒号が入り混じってまるでスタジアムのような大歓声が聞こえ、それはまさにお祭り騒ぎそのものの様相を呈していたのですが、テンプルバーンにおいてはそんな要素は微塵も感じられません。たまに静かなウェーブが起こるくらいで、みんなその燃え行く姿をただじっと静かに見守っていました。

マンバーンの時のその炎も大きかったのですが、テンプルバーンではどうしてか、炎はさらに大きく見え、すべて焼き尽くしてしまうのではないかという巨大な炎のうねりに見えました。それと同時に最前線で見ていたわけではないのに、僕の肌には受けきれないほどの高温を感じ、しばしば顔を覆わねばならないほどの熱でした。目の前で観ていた親子連れは父親が子供をタオルで覆って守っている、それくらいの熱気でした。

一度テンプルの中を訪れたことが思い起こされました。それと同時にそこで泣いていた人達や何かを悼む人達の表情、そこには抱えきれないくらいの哀しみがあったことは間違いないのですが、それらがすべて炎の中で静かに浄化されていくと考えてみます。するとこのテンプルには自分ごときには計り知れないくらい深淵な意味があるのであろうな、とおぼろげにも思いが巡らされました。

静かに見守られながらテンプルは巨大な炎の中に崩れていきました。それは2025年のバーニングマンの幕をそっと引くかのような崩落でした。

テンプルもマンも燃え崩れて消えましたが、決してそのスピリットは消えてはいないのでしょう。それは次のバーニングマンを引き継ぐ者たちがまた来年、新たな身体を与え、魂はそこにまた宿ります、つまりそれを望むバーナーがいる限りマンとテンプルは不死の存在なのです。

テンプルが燃え崩れたのを見届けて僕らはその場を去ったのですが、背後にはマンの時と同じようにミュータントビークル達が控えていました。音楽を鳴らし始めていたのですが、マンバーンの時のような爆音ではありません。それはレクイエムのようにも聞こえる、少し静かな、そして祭りの終わりを感じさせる夜の砂漠の風景がそこにありました。

次に続く!

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モノ取りを警戒してよくカバンを前掛けにしているブログ主

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