こんにちはー 駆け出しブロガー会計士、らーきいです!
僕はBIG4での監査経験を経て現在USCPA監査人としてアメリカのニュージャージー州の会計事務所にて主に日系企業の監査、レビュー業務に携わっています。
この時期になるとアメリカで留学している日本人学生にとっては一度は聞いたことのある言葉、ボストンキャリアフォーラムなる就職イベントの準備がはじまります。
ボストンキャリアフォーラム(Boston Career Forum)は、日英バイリンガル人材向けの世界最大級の就職イベントです。主に日本語と英語の両方を使える学生や若手プロフェッショナルを対象に、日系・外資系企業が直接採用活動を行う場として毎年秋にボストンで開催されます。参加企業も日系、外資共に有名企業が多数あり、グローバル人材の採用促進や海外在住の日本人学生や留学生の採用を目指しています。日本国外に住む日本語話者が、日本企業やグローバル企業と直接つながる貴重な機会ともいえる一大就職イベントです。
さてそのイベントに僕の務める会計事務所も参加するのですが、今年についてはアメリカ国内での採用、就労にあたっては大きな話題があります。ずばりそれもビザ、特に企業がスポンサーとなりアメリカでの滞在、就労を認めるH-1Bというビザの取得方法のルール改正について、企業の経営陣、採用担当者、そして学生をはじめとした就労希望者に大きな波紋を呼んでいます。
もともとH-1Bの取得状況は抽選であり、応募数の増加から近年だんだんと当選確率は狭まってきたイメージがあります。僕が業界に入った2010年代の半ばは2人に1人、もしくは3人に1人が取得できるようなイメージでしたが、ここ近年は本当に取得が難しくなってきている感じです。肌感ですが5,6人応募して1人取得できればラッキーという感じでしょうか。選考方法は
純粋な抽選という建て付けなんですが、やはりいろんなウェブサイトを当たってみると、同じ会計関連職であっても給与水準の高い会社や職種は当選率が高くなっていたらしいんですが、分かるような気はします。
今年大きな影響を及ぼす変更となりそうなのは以下の2点
#1.新規申請に対する追加手数料$100,000の導入
現在米国国土安全保障省(DHS)及び傘下の米国市民権・移民局(USCIS)が提案中で実現はまだしていませんが、ビザの取得に当たっては10万ドルの手数料を取るというものです。会計業界は人材はエントリーレべルであれば年俸自体が10万超えるはまれであり、その人材をとるのにこれだけ手数料を払うというのは企業にとっては現実的ではなさそうです。
ただこの制度は米国内ですでに別のビザ(F-1学生ビザなど)をすでに取得済みであり、ビザステータスの切り替えとなる場合は適用されてないとの案のようです。おそらく海外から応募者に対して歯止めをかけるための制度ではないでしょうか。
#2.抽選が従来の無作為抽選方式から「賃金ベースの選抜方式」に変更される
こちらもまだDHSからの提案段階ですが、年収(提示賃金)が高い申請者ほど抽選枠が多く与えられ、当選確率が高くなる仕組みへと変更される可能性があります。背景としては高賃金=高技能という前提に基づき、高スキル人材の優先確保を目的とする
低賃金職種へのH-1B依存を抑制し、米国人労働者の保護を図る、といったものがあるようです。
この提案については単純の高賃金の上から順番に当選させるというものではなく、具体的には賃金レベルを4等級に分け、高賃金ほど当選枠を増やし、高賃金者労働が当選がしやすくなるようです。


このレベル判定は職種ごとに異なるため、実際の給与水準は地域や業界によって上下するようです。
この制度変更案は今の2025年10月現在はパブリックコメント期間中であり、実施にあたっては広く意見を募っている状況です。しかしはやければシステムとして来年2026年3月のH-1B申請シーズンから実施されると見込まれています。
これを受けて企業の採用戦略には大きない影響がでることは間違いないでしょう。影響高賃金提示が抽選当選率を左右するため、給与水準の見直しが必要になるでしょう。
上記の水準でいけば会計業界の新卒給料はおそらくBIG4であってもレベル1に該当し、当選確率は従来法と比較し48%減、つまりこれまで当選していた確率が半分になるということかと思います。
次ページ:え? アメリカ在住者のH1B当選確率が上がる可能性!?

貴方もブログ、始めてみませんか? 文章書いて副収入!
 
  
  
  
  
コメント